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​お知らせ

家元のよみもの Vol.22 爛漫

  • kajiinomiyagoryusn
  • 4月3日
  • 読了時間: 5分

更新日:4月4日

まだまだお寒い日が続いていますが、皆様、いかがお過ごしですか?


私は不覚にも先週、疲れがたまっとのか、ダウンしてしまいました。

皆様はお健やかでいらっしゃいますことを祈るばかりです。


先月のよみもので、しばらく展覧会のお話が続くと思います、と予告させていただきましたが、3月は本当にお花を生ける機会の多い幸せな1ヶ月でした。



3月には毎年恒例の新宿高島屋での、『いけばな協会展』がありました。

今年も生徒2名と参加いたました。


年が明けて最初の諸流展、春爛漫の作品が並びます。

今年は白い木瓜と、岩根絞りというとても華やかな椿の二種でいけあげました。


デパートでの展覧会は、大体寸法が決められていて、本当はもっとこうした方が枝を活かせると思っても、そうできないことが多くあります。それを残念に思うこともありますが、決められた範囲内でできる限りその花材を活かすこともできなければいけないのだ、と自分を納得させつつ、いつも作品に向かっています。


この時季は、木瓜を生ける確率が高く何度も生けてきましたが、今年の白いボケはとても立派で真っ白のお花が清々しく、そこに岩根絞りの赤と白が映えて、この展覧会に生けた作品の中で、一番好きな作品となりました。

ご覧いただきました皆様、本当にありがとうございました。



椿と木瓜の生花
いけばな協会展 家元作品


このいけばな協会展が終わるとほぼ同時に、『元町の逸品✖️いけばな』というイベントの生け込みに突入しました。

地元横浜の、幼い頃から家族でしばしば訪れた思い出の元町でのイベントで、心浮き立つ思いで参加しました。


3月17日に新宿高島屋が終わると、翌日の朝一番でお花屋さんへ行き、注文していた花材の確認と、その他の花材を調達してその日の午後から生け込みました。

18.19日の二日間生け込みができるのはとてもゆとりを感じます。

しかしながら展覧する場が2ヶ所あり、それなりにタイトな生け込みスケジュールでした。


今回は9名の華道家が、元町ショッピングストリートの店舗とコラボし、山手にある4つの西洋館をシェアして作品展示をするというイベントです。

私は老舗洋食器店のタカラダさんとのコラボ、そして、イギリス館のダイニングルームが担当となりました。


元町の店頭には、イギリスからの直輸入マグカップを使ったいけばなと、店内2ヶ所に作品を飾りました。

イギリス館には、タカラダさんの社長さんと相談して、『夫婦の超カジュアルアフタヌーンティー』という設定で、“モトマチフェニックス”というタカラダオリジナルの爽やかなシリーズの食器でテーブルを飾っていただきました。

テーブルセンターと、サンルーム、チェスト2ヶ所、そして、コーナーに計5作です。





そして、今回はそれぞれの先生がワークショップを開催、私はタカラダ本店の4階のお部屋をお借りして、イギリス館のテーブルコーディネートにも使用した、モトマチフェニックスシリーズのマグカップを使い、『マグカップで楽しむ花時間』と題して、簡単でおしゃれないけばなレッスンをしました。


募集期間が短く、なかなか集客ができないでいたところ、知人友人の方々が応援に駆けつけてくださいました。なんとありがたいことでしょう!

この場をお借りし、心より感謝申し上げます。


毎日午前中はタカラダさんでのワークショップ、午後はイギリス館でお客様をお待ちしました。



またまた今回もなぜかいつも起こるアクシデントや、予期せぬ花材の到来もの、様々な偶然が重なって、結果、とても素敵な空間を創ることができたかな、と思っています。


今から10年ほど前に、初めて山手の洋館にお花を生けた時のことは、今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。

これは『234番館』でしたが、それ以後もご縁をいただき、『外交官の家』『ブラフ18番館』とお花を生けさせていただきました。

久しぶりとなる今回のお話に、イギリス館がいいなぁ!と願っていたらそれが現実になりました。思わず、やった〜!!と叫んでしまいました。

私、念じると結構叶うのです(笑)


そのようなことで、楽しみながら挑んだイギリス館でしたが、後からタカラダさんとのご縁があちらからもこちらかも繋がり、大変、意義深い『元町の逸品✖️いけばな』の日々となりました。

3月20日から23日までの4日間、花と共に素敵な時間を過ごすことができ、今回もまたしみじみと幸せだなぁ、と感じたのでした。



そして今回は直前の展覧会で一度使った花材も再利用しましたが、それぞれがまた違う場で輝きました。特に岩根絞りがイギリス館で見事に花開き、皆様の目に留まってお褒めいただいたことは大変嬉しく、更に美しさを増したように思いました。


イギリス館ではチラホラと咲き出したばかりの雲南黄梅は、富士宮の知人宅でまた飾る機会がありました。今頃、盛大に咲き誇っていることでしょう。


華道家は、植物の命を絶つことを避けられない職業です。だからこそ、花を最後まで活かしきることが使命であると思います。これは私達華道家が全うしなければならないことだと強く感じています。


花の命を最大限活かすこと、このことを今後も第一に考えて花を生けて行きたいと思います。


引き続き、展覧会続行です。

特に来月は心晴れやかに皆様にご報告できるように、しっかり頑張ります!



4月18日・19日 神奈川大学みなとみらいキャンパスにて 梶井宮御流第二十一世家元 一松齋藤原素朝 家元継承襲名二十一周年記念展 を開催いたします! 詳細は、お知らせまでお待ちください♩


梶井宮御流

第二十一世家元 

一松斎 藤原素朝

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