11月4日から6日まで、京都大原三千院門跡に於いて、第11回梶井宮御流秋季華道展を開催いたしました。2011年より毎年続けてきた大事な華道展でしたが、コロナ禍のため、残念ながら執り行うことができずにおりました。それでも、昨年は3年ぶりに規模を縮小し、ささやかに催しました。
有り難いことに、今年はコロナ以前に戻し、作品数を増やして開催いたしました。会員と共に一年の成果を発表させていただけましたこと、本当に嬉しく思っています。
気温が高いためか、京都の街中ではまだ紅葉は見られせん。けれども、滞在中、街中より気温が低い大原は日に日に色づいていき、紅葉のグラデーションが美しいお庭の景色を一足先に楽しむことができました。
この華道展では、開催前に毎回、花供養をしていただいております。私達は常に植物の命を奪って作品を生けております。もちろん、その花や枝の命を最大限に活かす努力はしていますが、一度、命を絶ってしまうことに変わりはありません。そのことに対してご供養をしていただくことによって、感謝の気持ちを持って花と対峙することができます。有り難いことです。
華道展の初日に法要をしていただいたあと、流派の源である三千院という場で作品を飾らせていただけることを誇りに思っております。それだけに、一人でも多くの方にこの華道展をご覧いただきたいのです。
三千院の御門主様、職員の皆様に温かくお見守りいただき、会員の賛同のもと、こうして回を重ねられますことに改めて感謝の念を抱いております。
来年からは1ヶ月早い10月の開催が決定いたしました。紅葉の混雑前の三千院で、ゆったりと生け花の鑑賞に足を運んでいただければ嬉しく存じます。
梶井宮御流
第二十一世家元
一松斎 藤原素朝
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