11月15日、インド大使館に於いて、いけばなインターナショナル東京支部月例会が開催され、デモンストレーションをさせていただきました。
今年いけばなインターナショナルに入会したばかりでしたが、早速お話をいただき嬉しくお受けいたしました。私にとって久しぶりのデモンストレーションでしたが、とても楽しい時間となりました。
思い起こしますと、初めてのデモンストレーションの時の緊張と言ったらありませんでした。
普段作品を生けるのとは違い、お客様から見て正面になるように、後ろ側からお客様と向き合って生ける訳です。こうなっているだろう、こんな感じかな、と想像で生ける、慣れればなんて言うことはないことでも、初めての時は本当にドキドキしたものでした。
そして、上手に枝が収まらない時なども慌てます。一度、本当に枝を留められなくて、お客様も一緒にドキドキさせてしまい、できた時は歓声が上がりましたが、これはホッとした歓声(笑)
あれからは、あまり皆様をドキドキさせすぎるのはプロとしては良くないと思い、器の形状をよく考えて、やはり生けやすい器を選んでいます。
時間の制限があり、その範囲内で仕上げることはマストですし、どんな仕上がりになるのかな、とお客様が最後まで興味を持っていただくには、あまり長くなりすぎず、テンポ良く、そして、何より私自身が楽しんで生けること、そうすればお客様も同じ気持ちで作品を見つめて下さり、楽しんでいただけるのだと思っています。
器を選び、花材を決めた時点で、大体の構造は浮かびますが、実際仕上がった作品は、それとは違うことがほとんど!それがまた、私にとってとても新鮮で楽しく、自然の植物が思い通りにはいかない難しさと、それに折り合いをつけて、植物と私の思いが一つになる瞬間、作品が仕上がるのです。
これまでいろいろな場でデモンストレーションをさせていただきましたが、回を重ねても毎回緊張するものです。その緊張は少しの不安と、どんな仕上がりになるのか自分でもわからない、ワクワクドキドキとした心踊る楽しい緊張です。
次のデモンストレーションは当流の新年会、どんな組み合わせにしようかな、と今からワクワクです。
これからも植物に対する畏敬の念を忘れずに、真摯に花の道を歩んで参ります。
梶井宮御流
第二十一世家元
一松斎 藤原素朝
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