明けましておめでとうございます。
今年は暖かなお正月ですが、皆様いかがお過ごしですか?
私は親戚や親しい知人と新年をゆったりと過ごしています。
昨年はとても忙しく過ごした一年でしたので、この1月は少しお休みをしながら英気を養い、2月からはまた指導に励み、次々と始まる展覧会も皆様の心に響くような作品を生けたいな、と思っています。
心に響く、とはどのようなことなのか…
ある時、ある方が、私の作品をご覧下さり、一つ一つのお花が語りかけてくるようですね、とお褒め下さいました。その時のなんとも嬉しかったこと、今でもずっと心に残っています。
きっとその方には作品を通して私の思いが伝わり、感じてくださったのでしょう。
本当に嬉しかったことを昨日のことのように思い出します。
それ以来、その気持ちを常に心に留め、それぞれの花を美しく輝やかせたいと思い、花と対峙しています。
昨年末、私も心に響いたことがありました。
ご縁あって、クリスマスイヴに、昔から歌声が好きでした、鈴木雅之さんのクリスマスディナーショーへ出かけました。
67歳になる鈴木さんの歌声は、それは素晴らしく更に深みも出て、やはり生の歌声には感動が止まりませんでした。
お正月の今もあの時の感動が続いていて、もちろん大晦日の紅白出場もしっかりと、お節の支度の手を止めて、テレビの前でうっとりでした。久しぶりにミーハーです(笑)
このように人を感動させることって、素晴らしいですよね。
長い年月を経ても色褪せず、魅力的な活動をなさっている鈴木雅之さんのように、私も私が生ける花を通じて、ご覧くださる方の心に響くような作品を生けられる華道家になりたいと、改めて思ったのでした。
そして、やはり生で聴くことの素晴らしさと同じように、立体芸術であるいけばなを、写真ではなく実際にその場にお運びいただき、ご覧いただきたいと強く思いました。
鈴木雅之さんのディナーショーは、昨年頑張った自分へのご褒美でしたが、感動は日常のあちこちにも見つけられることですから、日々小さなことにも感動する心の余裕をもって、生きていることに感謝し、人生を楽しみたいと思っています。
皆様にとりまして幸多き一年となりますように。
梶井宮御流
第二十一世家元
一松斎 藤原素朝
この家元の読み物は、本来、1月3日に掲載予定でおりました。
けれども、皆様ご存知の通り、能登半島大地震が起こり、胸つぶれる思いがいたしました。知人も被災したという知らせもあり、自粛すべきと判断し、掲載を遅らせました。
被災地の皆様にお見舞い申し上げる気持ちは変わりません。
どうぞお体をお大切に、難局を乗り切ってくださいますようお祈り申し上げます。
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