「継続は力なり」。
亡き父がよく申しておりました。
確かにその通りだと感じる今日この頃。
長く続けているものがあることは、自信となり、その人にとってなくてはならないもの、さらには生きがいへとつながるのではないでしょうか。それが何であれ、どんな理由でもよいと思います。継続する、そのことが大切だからです。
私は19歳から茶道を始めました。
お茶席に参加する機会がある時に、お作法を知っていれば戸惑うことなく、美味しくお抹茶を頂き、その場を楽しむ余裕が生まれます。
華道は私にとっては趣味ではなく職業なので、それとは別に趣味として長く続けられるものを…と母が導いてくれたのでした。途中休むこともありましたが、現在もお稽古に通っております。
始めた頃は全てが新鮮で楽しく、若かったせいか覚えもよく、すんなり身につきました。最近は難しいお点前もあり、年齢も重ね、覚えは相当悪くなりましたが、お茶のお点前は、順序通りに運べば流れるように手が動くように考えられています。さすがに基本のお点前は、何度も何度もお稽古してきたおかげでしっかりと身につき、自然と手が動いてくれます。
これも継続してきたからこそなのでしょう。
沢山のお点前がありますから、全てを頭に入れるのは大変です。それをきちんと記憶し、その都度ご指導くださる先生は素晴らしいと思います。
人に教えるということは、先ず自分がきちんと理解しなければなりませんし、数多く教えることで、習う方は一度のことでも教える方は何倍にもなるのです。これは自分が指導する立場になってから、改めて実感するようになりました。
けれども、誰もが指導者にならなくてはいけないということではありません。それぞれ進歩は違えど、必ず続けていくことで少しずつでも技術が身についてゆきます。教えるようになりたい、趣味として自分が習って楽しみたい、先生との交流の時間を楽しむこと、お仲間との関係を築きたい人、どんな理由でも続けてさえいれば、それぞれの力となってゆくのです。何より、楽しみながら続けることが大切ですよね!
私は、お茶の方はなかなか上達していないように思いますが、尊敬する先生にお会いしたくて通い続けています。それも続けることの大切な理由です。
理由はどんなことでいいのです。
楽しみながら真摯に続けていけば、その人が生きる上での何かに必ず繋がると思います。生涯をかけて続けられる何かを皆さまもどうぞ探してみてください。
そして今、私とお稽古してくださっている会員の皆さんにとって、梶井宮御流のいけばなが、生きがいとなりましたら、心から嬉しく思います。
そう感じていただけるように、私も更に精進して参ります。
梶井宮御流
第二十一世家元
一松斎 藤原素朝
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