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​お知らせ

家元のよみもの Vol.17 神奈川大学華道部KADO

空高く秋晴れの気持ちの良い日々となりましたが、あっという間に秋は過ぎ去ってしまいそうです。今年の冬は寒くなるのでしょうか。




私はご縁あって、2018年から神奈川大学でいけばなのレッスンをしています。

初めの3年はサークルとして活動し、その後華道部に昇格、今では大学公認団体となり、6年が経ちました。


きっかけは、ごく親しい知人が60代で大学へ通うということからでした。

素晴らしいですよね!

入学なさってすぐに、神奈川大学には華道部がないようだから、私が作るわ!とのこと。

少しずつ周りのお仲間にお声かけしてくださり、在学中に本当にサークルを立ち上げてくださいました。


文学部国際文化交流学科の方が中心となって作ってくださったからか、常に留学生が沢山参加してくれています。国際色豊かな部活動です。


そして、神奈川大学から海外へ留学する学生にも、日本の伝統文化の一つである華道体験レッスンを定期的に大学側から依頼され、指導しています。


昨年から文化祭にも参加しており、今年は昨年の2倍の学生が作品を展示しました!

男子学生も多く、それぞれに楽しみながら、お花に向き合っていました。





残念ながらいけばな人口は減っていますが、逆に若い人にとってはカッコいい習い事なのかもしれません!

大学を卒業しても、華道を続けたいと言ってくれる学生もいて、なんとも嬉しい限りです。


なんとかこのいけばなを若い世代に繋げていきたい、

もっと早い段階、小学生くらいからはじめられたら、どんなにかよいと思います。




10年くらい前、三千院の主催で、小学生対象のサマースクールを開催していたことがあります。


1泊2日でお寺の生活を経験するのですが、最後に仏様に感謝の気持ちを込めてお花を生けてお供えをします。その指導に、8月のそれはそれは暑い京都へ何年も通っていました。


子供達と共にお寺の朝夕のお掃除、お経、座禅、写経、お数珠作りなどなど……

そして、2日目の最後にお花を生けるのです。


子供達は目を輝かせてお花を生けます。

思うままに生ける子、ものすごく悩む子、こちらがビックリするような表現をする子、それぞれにその作品は、その子供達そのものでした。


仏様の前に1人ずつ、無事に二日間を楽しく過ごせたことの御礼の気持ちを込めてお供えします。






お寺で出されるお食事は残すことはできません。

食べられないと思う子は、食べる前に減らしてもらいます。

でも余計なおやつなど出ませんから、みんなお代わりをするくらい、美味しそうにお食事をしっかり食べるのです。

良いことだなぁ、と思いました。

大切な命をいただいて、私たちは生きている、そのことをお坊さんは何度もお話します。


私もお花について、一度絶ってしまった草花の命をできる限り美しく輝かせて活かすこと、そのことを私も子供達に教えました。


このようなことを幼い頃に経験することで、大人になってから何かの折に思い出し、きっと生きる上での何かのヒントになるのでは、と思うのです。


子供達に教えることは、子供達の目の輝きを見るだけで力をもらいますし、大学生になると、お花に対しての真摯な思いが伝わり、こちらも熱くなって指導しています。




文化祭の生け込みをしながら、久しぶりに三千院サマースクールでの子供達のお花が、仏様の前に華やかにお供えされた時、仏様のお顔がにこやかに微笑んでいるように見えたことを懐かしく思い出しました。




本日3日まで、神奈川大学みなとみらいキャンパスで文化祭が開催されています。

お出かけいただけましたら嬉しいです。


神奈川大学 みなとみらい祭 2024 詳細は こちら !


梶井宮御流

第二十一世家元 

一松斎 藤原素朝


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