家元のよみもの Vol.29 花とともに駆け抜けた10月
- kajiinomiyagoryusn
- 2 日前
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急に気温が下がり、あの暑さが嘘のようです。
私は疲れも重なり、珍しく風邪でダウンしています。
皆様はご体調崩されていませんか?
怒涛の10月が終わりました。
この10月ほど忙しかったことはこれまでになかったと思います。
一つ一つ、会員やスタッフの力を借りて、無事に終えることができました。
思い返せば楽しかったなぁ、という記憶のみです。
初旬の 三千院 は今年も沢山の観光客で賑わっていました。
恒例の秋季華道展が11月から10月に変更になって2回目の開催でした。
まだまだ暑さが残る10月ですので、これまでは花材を東京のお花屋さんから送っていたのですが、暑さで花材が傷む心配があり、今年から京都で求めることにしました。
素晴らしいお花屋さんとご縁ができ、何の心配もなく現地で調達します。
それもまた、いつもと違った気持ちでワクワクするものです。
今年も各支部の会員と共に、三千院へ通い、作品を仕上げる日々を過ごしました。

帰浜して間も無く、歌舞伎座 にお花を生けるという機会をいただいており、7名の先生方と、順番に演目に因んだ作品を展示しました。
会員も歌舞伎を鑑賞しながら私の作品をみるために駆けつけてくれ、本当に嬉しいことでした。
好評だったとのことで、またの機会もあるようです。
その折には是非、お出かけいただきたく存じます。

歌舞伎座も無事に終えて、やれやれと思う間も無く、横浜山手にある西洋館の一つ、横浜市イギリス館からハロウィンの装飾を依頼されており、初めていけばなで ハロウィンの装飾 をするという、ちょっとイメージが湧かないかと思いますが、そのことにチャレンジしました。
期間も2週間と長く、ほぼ毎日通いお花のお守りをしました。
お陰様で、大好評だったようで、お花も一部生け替えもしましたが、メインとなる二作は初めから終わりまで一切の変化なく、ご覧下さるお客様に大変喜ばれました。

これまで、テーマに沿ってお花をいけることがあまり好きではなかったのですが、NHKのスタジオ装花もそうですが、お題に合うように考えて生けることの楽しさを感じるようになって来ました。
すべて自由ですと、自分の好きな花材に偏ったり、毎回似たようなフォルムになったりしてしまいます。
テーマがあるから、この花材使ってみようかな、この花材苦手だけれど、テーマに合うからやってみようと、そして、生けてみたら、あら、いいじゃない!と好きになったり・・・
NHKの装花担当 は来年までなので、常に次はどうしようかな、と考えている自分、花材を眺める目が新たな感覚で見ている自分、そんなことを楽しいな、と思えることが本当に幸せだなぁ、と思います。
10月4日は父の命日でした。
天国からいつも見守ってくれていることと思います。
お花の道を私に遺してくれたことに改めて感謝し、母と供養の食事をしました。
これから更に頑張るね、と。
三千院、歌舞伎座、横浜市イギリス館へお出かけくださいました皆様、心より御礼申し上げます。
そしてNHK短歌と俳句も引き続きご覧下さいますよう、お願いいたします。
梶井宮御流
第二十一世家元
一松斎 藤原素朝








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